ペトラはそれでも否定するしかなかった。

現に彼女は、一切の不貞行為を働いていない。

では、どういうことなのか?

その答えを知る人物が、この場には2人いた。

パピクルス伯爵家の令嬢ニーナ・パピクルスと、その父親だ。

2人は共謀し、ペトラとルークの仲を引き裂く罠を講じた。

全てはこの2人が仕組んだことだったのだ。

「王子様と婚約していながら他の男にうつつを抜かし、挙げ句には反省の態度も示さないとは何事か!」

声を荒らげたのは、ペトラの父である公爵。

公爵は既に、自分の身を守るための策を考えていた。

その策とは――。

「国王陛下、王子様、我が娘を国外追放に処して下さい」

――娘を捨てることだ。

「公爵、本気か?」

驚く国王。

「本気でございます。ただ国外追放するだけでは収まりが付きません。ペトラは家門から除外、つまり絶縁させていただきます」

公爵は自ら率先してペトラに厳罰を与えていく。

そうすることで、自身に火の粉が及ばないようにしている。

公爵の策は上手くいった。

「公爵がそれほどの厳罰を望むなら……他に言うことはあるまい。ペトラ、そなたを国外追放と処す。また、この時をもってポナンザ家からも除籍とする。今後、そなたはただの一般人としてバーランド王国で暮らすがよい」