追放された公爵令嬢、隣国で成り上がって全てを見返す
国王は公爵に何の罰も与えず、ペトラだけを処分した。

公爵の座を狙っていた伯爵は小さく舌打ちする。

「分かりました……」

ペトラは何も言い返せなかった。

何を言っても聞き入れてもらえないと分かっていたから。

(どうしてこんなことに……)

騎士に連行されていく中、ペトラは何度も現状を理解しようとした。

しかし、どれだけ考えても、何が何やらさっぱり分からなかった。

分かっているのは、誰かに嵌められ、全てを失ったということ。 

ペトラは思った。

今日は人生で最悪な日だ、と。

だが、後に彼女は、この日を振り返って思う。

あの日のおかげで今の充実した日々があるのだ、と。
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