極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました

 失恋してしまったと決まった後も、椿生きるからのメッセージは送られてきた。
 無視してしまえば、終わりになったはずだ。けれど、畔は彼を無視する事など出来なかった。
 後少しだけ。そう自分に言い聞かせてながら、メッセージのやり取りを続けてしまっていたのだ。

 椿生は変わらず優しくて、畔のCDを買った事を教えてくれた。活動の再開を願いつつも、無理しないようにと心配もしてくれた。
 そして、次のドライブの誘いもしてくれた。

 『次の土日、約束のドライブに行かない?海でもいいし、山もいいね』

 そんなデートの誘いに、畔は連絡出来ずにいた。
 このデートに行ってしまえば………椿生と会ってしまえば、彼とお別れするのがもっと辛くなる。
 だからと言って、彼の誘いを断る事など出来るはずがなかった。
 畔は椿生に会いたくて仕方がなかった。

 会いたい。
 手を繋いで欲しい。
 また、名前を呼んで欲しい。
 笑顔を見せて欲しい。


 けれど、メッセージの返信が出来ず、畔はしばらくの間、どうすることも出来なく、ただただ文字を眺めていた。
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