極上社長からの甘い溺愛は中毒性がありました

 フッと鏡に映る自分の足元に目を向ける。そこには、先ほど名前も知らない男性に巻いてもらった包帯がワンピースの裾から見え隠れしている。畔は、ワンピースの裾を両手で捲り、その包帯を見つめた。

 (あの人、優しかったな。ニコニコしながら手話してくれた。どうしてだろう、忘れたくない)

 そんな事を思い、畔はしゃがみこんでその包帯に触れた。
 じんわりと湿布の冷たさを感じるはずなのに、畔は温かい気持ちになり思わず微笑んでしまう。

 (いつか………また会えるかな)

 そんな事を思いながら、控え室の時計を見る。すると、調度よい時間になっていた。遅くなるとまた叶汰が怒ってしまう。

 畔は最後にもう1度包帯に触れた後、皆が待っていてくれる場所へと向かった。
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