世界探偵団!!~怪奇現象、私たちが解決します~
1、風使い~勝手に動く物の謎~
「菊(きく)!また明日~」

友達が手を振り、教室を出ていきます。私は、1つため息を着くと急いで教室を出ました。

家まで走って帰り、制服から着物に着替えます。今日は、黄色に花柄の付いた着物にしました。

「……よし」

鏡を見つめ、私は頷きます。そして、草履を履いて外に飛び出しました。

お母様からは、走ってはダメと言われていますが、そんなことは気にしていられません。

だって、これからは私にとって居心地がいい場所に行くんですから……。

私は、人気のない場所まで来ると地面を思い切り蹴ります。

そして、建物の2階に飛び移りました。懐から鍵を取り出し、私は目の前にあるドアの鍵を開けます。

「あ!菊だ~!!」

ドアを開けた瞬間、赤みのかかった茶髪に碧眼の女の子が私に抱きついてきました。

「……暑いです、ティモシー……」

私が呟くと、ティモシーは私から離れます。私は、ドアを閉めて辺りを見渡しました。

「あれ?こんな所に、木なんて生えていましたっけ?」

私は真ん中に生えている木を見つけ、近寄ります。

「……私がラファエルに頼んだのよ」

上から声が降ってきたので、私は木を見上げました。太い枝に腰掛け、紅茶を手にした金髪の女性……キーラはそう言って微笑みます。
< 1 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop