双子の異世界・奇跡の花束
ミネルアの力は正に規格外だった。

誰も予想だにしない事が起きたのだ。

空を包む真っ黒な雲。そして隙間から太陽が一筋の光を零した。

ゼノが静かに言った。


「姫様・・元の世界へ帰れるそうです」


「・・え?」


「賢者様の事付けをフレアがしてくれました。帰れるそうです」


「かえ・・る・・・」



ミネルアは自分を囲む皆の顔を呆然と眺めた。



「な・・なんで、みんなそんな顔してるの」


ミネルアの目から涙は溢れ続けているのに。



「なんで・・」





その場にいる全員の顔は、笑顔だった。



< 281 / 288 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop