双子の異世界・奇跡の花束
ミネルアがこの世界にやってきて3年の月日が経とうとしていた。


「・・・はぁ」


ため息をつきながら皿を洗っている。

10歳になったミネルア。

ある日世界地図を見せてもらった時に新たな衝撃を受けた。

まるで自分の世界と同じ形をしていたのだ。

ただ、名前が全部違う。

自分の住んでいた世界でないと再認識し、帰る方法もままならないまま、今に至る。



「髪、伸びたな」


ぼそっと近くにいたヴォルスが呟いた。


「え?あ、そうだね」


父クロノスから受け継いだ銀色の髪はとても美しく、太陽に当たるとより一層輝きを増す。


それはもう旅団の全員が惚れ惚れするぐらい美しい。

もちろんヴォルスもそう思っていた。



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