双子の異世界・奇跡の花束
その次の日も、そのまた次の日も。

口喧嘩マジ喧嘩など絶えない日々を送ってきたが、3人は兄妹の様に仲良く暮らしていた。


「あの時2人が私を見つけてくれて本当に良かった」


「ミネルア・・」


「ありがとうね」


ミネルアの笑顔を見て、ヴォルスは拳を握りしめる。



_俺はまだ何も、手がかりさえもまだ掴めてない。お前の故郷を。



悔しそうにしてヴォルスは俯く。


自分なりに出会った場所や異世界についての本などを探してはみたが
全然手がかりになるようなものは見つかっていない。



「まあ、いいじゃん。よく笑うようになったし。この世界でもやっていけるよ」



とクルーガはヴォルスに言った。



_あいつ、ここにいて幸せなのかな?それでいいのかな?



遠くで洗濯物をたたんでいるミネルアを眺めながらヴォルスは思った。


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