双子の異世界・奇跡の花束
「ん・・・」


ミネルアが目を覚ましたのは、誰かの肩の上だった。

ガタイのいい男が自分を肩の上に担いで夜道を歩いていた。


「え?何!?」



驚いてバタバタと足を振ると、男はその足を片手で掴んだ。



「起きたのか。へえ、いい目の色じゃねえか」


ゾクッ


_怖い!!


本能ですぐにわかる。善い人間ではないという顔つき。

笑った口から見えたのはガタガタな歯。

男は酒臭い息で笑うと、狩猟した鹿の様に片手でミネルアの小さな両手両足を持ち上げた。



「お前どれくらいで売れるかなぁ、なかなかいい値だと思うんだが」


と言いながらニタニタと笑う。



_やだ!?何?夢なの!?でも痛い!!



状況がつかめる訳もない。


「離して!いやだ!ゼノ助けて!ゼノ!!」


「はあ?ゼノ?お前の身内か?お前の近くには誰もいなかったぜ」


「・・そんな」



絶望感が幼いミネルアを襲った。



_ここは何処なの?なんでこうなったの?ゼノは何処なの!?お母様お父様!!



誰か助けて!!!
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