「梓あんた…副社長の赤ちゃんデキたの?」

私は飲んでいたオレンジジュースを喉ではなく気管に通してしまい、噎せてしまった。
「だって…あんたと副社長の婚約…急なんだもん…」

私と一緒に居るのは同期の前田美映(マエダミエイ)
我が百貨店の窓口・インフォーメーションカウンターに立つ受付嬢。
鼻筋の通ったキレイな顔立ち。見た目だけではなく、元帰国子女とあって英語、フランス語、ドイツ語、中国語と四ヵ国を話す。
外国人観光客の来た際は通訳として駆り出され、なくてはならない存在の彼女。
私と美映は久しぶりに六本木のレストランバーで落ち合い、食事をした。





「美映…これは重要機密だから…絶対に誰にも言わないでよ…」

「何??」

美映は急に瞳を輝かせた。