離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花~
トラックに全ての荷物を運び終え、俺達の新居へと先に向かった。

「俺達も追い駆けるぞ。梓」

「はい」

「では…俺達は新居に向かいます。遊佐副社長」

「あぁ~元気で頑張るんだぞ。梓」

「あ、うん…お養父さん、お養母さん…お世話になりました…」

「梓…」

「今まで呼べなくて…ゴメンなさい…ずっと…恥ずかしくて…」

梓は俺に諭され、初めて二人をそう呼んだ。

呼ばれた二人は涙ぐみ、言った張本人は号泣した。

俺の茶番でこれから家族として再スタートしそうな三人を引き離すコトに対し、無性に罪の意識を感じた。

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