可愛くないから、キミがいい【完】
6.眉唾の微ロマンス






「ふたりに報告があるんだけど」なんて、昼食をひろげて、いただきますをする前にはにかみ笑顔でミーナが言った瞬間、何を言われるのかほとんど理解した。


一応、ポーズとして、「なになに?」と目をきらきらさせておく。


内心はちょっぴりゲンナリとしていた。

だって、首にはつけられたばっかりのキスマークがまたあったんだもん。

マユも、おそらく分かっていたと思う。



「実は、一週間前にトシ君と付き合うことになったんだよね」


ミーナと私とマユしかいない空き教室で、幸せそうなミーナの声が響く。


私としてみれば、まだ付き合ってなかったの?という感じだし、トシ君に対して、付き合ってもないのに、キスマークなんてつけて、ちょっと束縛が激しすぎるのではないかと思い始めてきていたところだ。

半分は本音で、半分は自分より幸せそうなことへの悔しさみたいなもの。



だけど、顔に出すことは絶対にしない。

ミーナは、一応信頼している友達だし、天使に僻みは似合わない。


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