俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。

美月side9

やっと全ての試験が終わった。

二月に入って十日間で三校受けた。

A大の発表は十九日だ。


試験から解放されて発表のあるまでの十日間、七菜と思いっきり羽を伸ばしにカフェ巡りやショッピングに出かけた。まだ試験の残っている男二人に悪いなーと思いながら。


「ねえ、一緒に住む部屋の事、親に聞いた?」


気の早い七菜は発表前からA大近くの物件をネットで検索しているらしい。『気が早くない?』と聞けば、『だって合格発表の後だったら殺到していい所なくなるでしょ?』って言うけど、みんな一人暮らしでワンルームとかだろうから私たちが考えている2DKや2LDKはそんなに直ぐになくならないと思う・・・。


「聞いたよ。『気がはやいわねー』って言われたけど。でも二人が同じところに通うなら一人暮らしも心配だしルームシェアもいいんじゃない?知らない子じゃないし、七菜ちゃんなら安心だって。」

「やったー。うちの親はもっと前からいいねって言ってたから。もし同じところに行けなくても、そんなに距離が離れてないなら中間地点で住めば?って言ってたくらいだし。」

「確かに。受けたとこ、そんなに離れて無いからいけるかも。」

「ねえ、この後部屋のインテリアとか見に行こうよ。」


もし七菜と違う大学に一人になったらって少し不安だったが大丈夫なような気がしてきた。


「いいね!どんな部屋にしようか。」




向かえたA大合格発表当日。発表はネットで夜の八時から見れる。
母と一緒にリビングでパソコンを立ち上げ時計を確認する。

チッチッチ秒針が十二を過ぎ八時になった。

受験番号を入力しポチッと確認ボタンをクリックすると・・・、

画面に桜吹雪・・・、

そして“おめでとう”の文字が映し出された。『きゃー!』母と抱き合っているとスマホにメッセージが届いた。

【合格!】

『お母さん、七菜も受かったって!』直ぐに私もメッセージを送った。

【合格!】


すると直ぐに七菜から電話がかかってきた。
『やったー!これで一緒に住めるー!ねえ、いつ部屋見に行く?』ホントに気が早い七菜だ。とりあえず電話を切り、仕事から帰ってきた父も交えて相談をして、七菜とも連絡を取り週明けの火曜日に両母親と一緒に四人で一度家を見に行くことにした。


家は無事に二回目で大学の最寄り駅から三駅離れた所でいい物件が見つかった。
少し築年数は経つが2LDKで十四万円。
親たちも一人暮らしの家賃の想定内で駅からも遠過ぎず、道も明るかったので即OKが出た。

その後、男性陣二人の受験も全て終わり無事に第一志望のM大に受かったのだが・・・。




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