頭の中からあの子の事が離れない、あの唇が忘れられない。
思わずしてしまったキスだったが、今まで感じたことがない気持ちいいキスだった。


「はー、あの場所に行ってみたけど会えねー。」


そう、彼女にもう一度会いたくて、あの日からあの場所に時間があれば行っている。予備校前だったからてっきりそこに通ってると思ったのにな。
もうムリかなと諦めかけていたある日、神はいた。

彼女はムチャクチャ近くにいた!

学食から戻ってきた教室のドアの前で大翔が彼女ではない誰か他の女と仲良く喋っていた。こいつも何だかんだ言いながらモテるのに何で俺みたいにめんどくせー事になんないんだよと思いながら、からかってやろうと覗きこんだ。


「あーっ!見つけた!」


ずっと捜してた彼女が目の前にいた。


「なに?祐世、美月ちゃんと知り合い?」

「知りません!」「知り合い!」


大翔の質問に『知らない』と言い切り逃げる彼女を追いかけた。

アイツ2組だったのか。

教室に戻り机に突っ伏す彼女の前の席に座った。


「美月、お前、なんで逃げんだよ。」


声をかけても顔を上げようとしない。
そのまま話を続けたが何の反応もなく聞いてんのかどうかも分からない。


「おい、美月、聞いてんのか?」


無理やり顔を上げさせようとしたところで俺が座っている席の奴が帰ってきた。


「あの、予鈴も鳴ったし変わってもらえるかな。」


チッ、昼休み終わりかよ。しょうがないから放課後迎えに来るか。


「わりーな。」


やっと会えた彼女、同じ学校ならいつでも会えるとご機嫌に自分の教室に戻った。