子作り契約結婚なのに、エリート社長から夜ごと愛し尽くされました
彼との生活は、思いの外快適だ。
さすがに毎日襲われることはなく、2〜3日おきにっていうのをちゃんと守ってくれている。

残念ながら、1回目のチャンスの時は、柊也さんの方に客先との接待の予定が入ったり、トラブル対応があったりで活かせなかった。

彼はそのことを「ごめんな」って言ってくれたけれど、謝ってもらう必要なんて全くない。仕事が優先だって、はじめからちゃんと確認し合っていたんだし、彼には私の都合を押し付けているのだから、文句なんて言えるはずがない。

「あっ、しゅ……橘さん。お味噌汁の味見、しますか?」

気を付けていないと、家での距離感になりそうなことがちょっと困りものだ。

「おう、どれどれ」

小皿に少量注いで、柊也さんに渡す。

「うん。美味いよ」

「よかったあ」

小皿を受け取って流しに体を向けると、突然腰を抱かれてビクッとする。

「しゅ、柊也さん?」

困惑した顔を向ける私に、彼は優しく微笑んで耳元に口を寄せてくる。


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