響は謙太郎を唆す
7 謙太郎の気持ち

夏休み

「俺を閉ざすな」

響は、毎日、何度も何度も思い出して謙太郎のことばかり考えていた。
謙太郎に俺を閉ざすなって言われた。
あの日。
謙太郎に抱きついた時、はっきり感じた。(私は、この人が好きだ)と。

長い腕で、彼の胸に閉じ込められるように守られるように、大事にされた。
謙太郎の心が流れ込んで、響の心も溶け出したみたいに、何だろう安心してドキドキして涙が出そうだった。

この人を信じたいと思った。

でも、謙太郎は響に「好きだ」とか「付き合って」とか言ってくれなかった。
学校以外で、会おうとも言わない。

夏休みに入ってから、もうそろそろ3週間、だから3週間、謙太郎に会っていない。

毎日、携帯に連絡はきている。
響も謙太郎も、もともとあまり長く書かないから、すごく言葉が短い。

響は謙太郎とのやりとりの画面を見た。

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