翠玉の監察医 法のあり方
一 パーティー
世界法医学研究所の監察医、神楽蘭(かぐららん)は仕事が終わった後、スウェーデン人監察医のマルティン・スカルスガルドの家に来ていた。蘭だけでなく、世界法医学研究所の所長の紺野碧子(こんのあおこ)やアメリカ人監察医のアーサー・スチュアート、ドイツ人監察医のゼルダ・ゾルヴィッグ、そして世界法医学研究所に研修に来ている探偵の深森圭介(ふかもりけいすけ)もいる。

「ようこそ、我が家へ!!」

マルティンに案内され、蘭たちはリビングへと入る。おしゃれな北欧家具で部屋は統一されていた。

「素敵〜……」

「このソファ、どこで買ったの?」

ゼルダと碧子が目を輝かせながら北欧家具を見つめ、マルティンに訊ねる。マルティンは買った店の名前を言い、キッチンへと向かった。

マルティンにおいしいスウェーデン料理を食べてもらいたいと言われ、蘭たちはお邪魔することになった。蘭は「座ってもいいよ」と勧められたソファに深く腰掛けずに座る。その顔はいつものように無表情だ。
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