私達には、関わらないで!!
4章

···悠真


大学の卒業前日に
父に呼ばれて会社に向かう

大学を卒業したら
石川財閥の関連会社に入り
勉強を積む事になっていた。

だが、俺は石川財閥を継ぐつもりは
なかった。
弟の陽真の方が向いていると
思っているから····

« コンコン »
« 入れ »
社長の中に入ると
父の秘書の林さんは不在だった。

いつも父から離れないのに
「座りなさい、悠真。」
「はい。今日、林さんは?」
「林なら私の用事で出ている。」
と、言われた。

それからの父の話は
石川財閥関連の会社全部に
研修に入るようとに言われた。

俺は、
「俺は、石川財閥を継ぐつもりは
ありません。
石川財閥総帥には陽真の方が
向いていると思っています。
お父さんだって、わかっている
はずです。
まだ、お父さんも健康ですし
陽真が大学をでるまで
何ら問題ないと思います。
俺は、陽真を支えられるような
立場でいられたらと
思っています。」
と、考えを伝えた。

「そんな事は、私が決める。
お前は、石川財閥の為に
やらないと行けないことやれば良い。
明後日から会社に出社しなさい。
それと明日の卒業の式典が
終わったら赤木財閥の
雨音さんとの婚約発表をするから
粗相のないように。」
と、一方的に
「婚約?何ですか?それは?
俺には、一生を共にする相手はいます。
そんな政略結婚をしないと
継続できないなら
石川財閥など失くして
しまえばよいだけです。」
「なにを!!
会社の経営もわからないような奴が。
赤木財閥との婚約は
前々から決まっている事だ。
提携で話は進んでいる。
それに、石川財閥がなくなれば
社員や社員の家族をどうする
切る捨てるのか
たった一人の女の為に。」
と、話していると林が帰ってきて
父になにかを告げた。

「そんなことだろう。
わかった、ご苦労だったな。」
と、父が林に言うと
林は、俺をみてニヤリとした。
気持ち悪い。

「その女、手切れ金を受け取った
そうだぞ。
そんなつまらない女なんぞ。」
と、言う父に嫌悪感しかない。

「芽依に、なにをした?
芽依は、つまらない女じゃない。
話しにならない。
俺は、石川の会社にも入らない。」
と、社長室を出ようとすると
「前園といったな
その女の父親は教職者らしいな
教壇に立てないように
することは簡単だが。
いつから自分の事しか考えない
人間になった!!」
と、怒鳴られて
歯を食い縛り、拳を握り閉める。

俺は、深く深く深呼吸をして
「石川の為に働きます。
それは、あなたのためでも
財閥の為でもありません。

社員と社員の家族の為です。
そして陽真の為です。

だが、赤木さんとの
婚約はしません。
それを教養するなら
これを週刊誌に持ち込みますよ。
それと、芽依のお父さんにも
手出し無用です。
芽依とは、会いません。」
と、言って携帯の録音を流すと
赤木との提携から芽依の父親の話しが
録音されていた。

父は、激昂したが
林におさえられて
「わかった。
赤木には連絡をする。
だが、良いな。
社員や社員の家族を見限る事を
したら、女の父親には
教育現場から消えてもらう。」
と、言うから
「林さん、
今のを書面にしてください。
今すぐに。」
と、言って
もう一度、ソファーに座る。

拳を解く事ができずにいた。

林が書面を作ったから
確認した。
・赤木財閥との婚約は無期延期
・石川財閥の社員を守る
・前園氏には手出ししない。
等が書かれていた。

約束を守れないときは
それ相応の制裁を行う。
お互いにサインをした。

俺は、石川の会社の寮に入った。

父親の顔を見る気にもならない。
芽依が金を受けとるはずはない。
そんな事はわかっているが····。

くそっ
血をわけた息子だぞ
こんな、こんな酷いことが
なぜ、出きるんだ

だが、何としても
芽依や芽依の家族に迷惑を
かけないようにしなければ。

必ず、守る。 

  芽依·····を

    芽依·····

     芽依·····だけ····を·····


     ·········愛している······
< 14 / 65 >

この作品をシェア

pagetop