セーラー服の君を想う
パンッと、お母さんの右手が頬の上で弾けた。


平手をされたそこは熱を持って、一瞬の困惑の後、激しい痛みとなってわたしを襲った。


渇いた痛みよりも、母親に叩かれたという事実が恐ろしくて、わたしは鼻の奥がツンとするのを感じた。


「自分が何やったか分かってんの!?」


お母さんは、わたしより泣きそうな声をしている。


その声には信じられないとか情けないとか、そういう色が滲んでいて、わたしはとんでもないことをしてしまったのだとその時初めて気がついた。

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