薔薇園でのことを思い返すと、これまでの雷撃だけでなく、パンチやキックの一つも入らなかったことがだんだん腹も立ってきた。

 あんのクソ王子に負けてたまるか!

 そう心に決め、学院での授業も猛烈に打ち込み、帰ったらアサギに体術の特訓を受けた。令嬢のひそひそ話も「聞こえません」「いちいち相手にしません」で、つーんっとやり過ごした。

 ――のだが、それは一週間で終了になってしまった。

「もおおおぉぉっ、なんで放電期に入るの!?」

 一日、学院を休んで様子を見たのだが、今回、ずっとパリパリと雷が体の上ではね続けていた。おかげで父にハグできないのが、大変つらい。

「姫様、すっかり抱きつき癖ができてしまっていますもんねぇ」
「うわああああああんっ、うるさいバカ!」

 ベッドでリリアが叫んだ途端、ドカンっと放電して部屋中に雷が走った。

 父のツヴァイツァーが、慣れたようにひょいとよける。看病にあたっていた使用人達が「うぎゃっ」と素早く身を伏せた。