幼なじみは一途に絡まった赤い糸をほどく◆おまけのお話追加しました◆
小春11歳、政宗17歳
***小春11歳、政宗17歳***


小春は先天性の心臓病を患っていて、運動することを禁止されている。
当然学校の体育は見学。
走ることは禁止。

幼い頃から家族に守られ、運動すること以外は何不自由なく生きてきた。今でも、定期検診以外で病院にかかることはないに等しい。

小春には六歳年上の兄、優也がいる。
両親は米屋を経営しているため、必然的に優也が小春の面倒を見ることになる。

「お兄ちゃん、私はもう小学五年生だよ。一人で大丈夫だから」

「わかってるよ。別に小春のためじゃないよ。今日は友達と勉強するだけ。だから小春も一緒に宿題やりな」

「えー」

不満顔で唇を尖らせる小春に、優也は意地悪な笑みを浮かべる。

「めちゃくちゃイケメンで頭がいいやつが来るから。小春惚れるなよ~」

「はっ?何言ってるの、お兄ちゃんのバカ!」

ふんとそっぽを向くと優也が楽しそうに笑い、小春は妙に恥ずかしくなって頬を染めた。
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