天色ガール
想乃に怒られ、あたし達は渋々ゲーム機から手を離した。
カタカタカタ──…
ゲームの音が消えたから、室内には想乃のキーボードを叩く音が響くだけだ。
「(…何をそんなに調べてんだろ)」
お披露目会翌日から、あたしは朝学校に行く時までもバイクで送ってもらうことになった。
毎朝家の前にいるのは想乃でいつも爽やかな笑顔で出迎えてくれる。
ただ───“閃光”の情報管理が担当らしい彼は今日、倉庫に来るなりノートパソコンと険しい表情で睨めっこばかりしている。
何があったか聞きたいけど…、忙しそうだからまた今度にしよ。
想乃の邪魔にならないようあたしは静かに近くのソファに座った。