天色ガール



そうだった、コウってあたしの担任じゃん!



どう頑張っても教師に見えないスーツ姿に笑いを堪え「あ、あた、あたしの教室ってどここ?」なんとか頑張って言葉を繋げた。



我慢。我慢だあたし!



見たら笑ってしまいそうだから俯いてるけど頭上からの視線がすごい。


少しの沈黙の後コウは、「…二階にあります」言って案内してくれた。





「ゴミとかあんまり落ちてないんだね」




有名な不良高校だから、壁に落書きがあったりタバコの吸い殻が落ちてたりして汚いイメージだったんだけど…



一階も二階も綺麗だ。ゴミだって一つも落ちてないし。




「まぁ、生徒たちには綺麗に使えって言ってるので」




それだけで?と聞こうとしたけど何故だかすぐにわかった。



廊下にたむろってる派手な生徒たち。


あたし達が通る時はサッと道を開けてくれて「おはようございます!」と元気に挨拶までしてくれる。



彼、彼女らの視線の先は……コウ。




「……」




何やったんだよお前。



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