俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

お坊っちゃまは下手こいた

★★★







『貴方様の聖い身体が、悪しき者の血で穢れることの無いよう…』




ーーー護られる、ということは。




『…私めが、全力でお護り致します』

『ま、待って!』




この上なく、自分が無力であると痛感させられるだけーーー。




待って。待ってくれ。

自分は護られるほど、尊い存在ではない。



自分にだって、護りたいものがある。

護りたい人が、いるんだ…!




『…その【力】を使ってはなりません!…【夢殿】様!』




…何故?

唯一無二の力を持っていたって、使わなかったら持っていないのと変わらないんだよ。




『その【力】が目覚めてしまえば、もう後戻りは出来ません、御納めを!……私がお護り致します!…この命に懸けても!』




命を懸ける?

護らなければならないからって、簡単に命を落としていいわけがない。

一人一人が、大切な命なのに。

もちろん、貴方の命も…!




この世の中は、残酷だよ。

尊い者の足元には、たくさんの死体が埋まっている。

尊い誰かを護るために、朽ち果てた者の命が。

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