許す事ができるの?

···暴かれる


そこで、この間の事故の話をした。

青木さんは、戸川さんの顔を見て
「今の上杉さんの話しは本当ですか?」
と、言うと
「だって、あの女が
私を遠ざける為に
律君に言わせたんじゃない。
それなのに離婚して
また、別の人との子供もいて
あの女が悪いのよ!
だから、文句を言ってやろうと
思って近づいたら
ぶつかって女の子にあたったのよ。
あの女が、子供の手を離すから
子供も大事に出来ていないじゃない!!」
と、女は好き勝手な事を言っていた。

「戸川さん、俺と恵の事には、
あなたは、何も関係ないですよね。
恵は、あなたやサークルの仲間を
大切にして、と俺から離れたのです。
だけど、俺が恵と離れたくなくて
恵にお願いしたんだ。
それに、俺は、あなたの事を
恋愛感情で見たことは一度もない。」
と、言うと
「····えっ····そんな···
私が呼ぶとすぐに来てくれたじゃない!」
「サークルの仲間だからです。
戸川さんでなくても、行きましたよ。
それなのに、あなたは、
関係ない、恵や恵の子供さんに
何て、言う事を。」
と、言うと
女性は、泣き出した。

それを無視して青木さんは、
「あなたが助けてくれたのですね?」
と、俺に訊ねるから
「まぁ、体が動いてしまい。」
と、言うと
「本当に、ありがとうございました。
その上、怪我をされたのでは?」
と、申し訳なさそうに
「はい、まぁ、少しだけ。」
と、伝えていたら
「私は、悪くない!!
あの女が手を離すからよ
あの女がわるいのよ。」
と、言う戸川さんに
「荒垣さんは、手を離したのでは
ありません。
ぶつかった衝撃で手が離れたのです。
彼女は、
不意に道路に出てきた私と娘さんを
避けれなかった、運転手さんの為に
警察官に抗議したり
俺にもたくさん謝ってくれました。

自分は、母親なのに
体が動けずに娘を助けられなかったと
心を痛めていて
咲茉ちゃんを抱き締めないと
不安になるのほどなのです。
彼女は、咲茉ちゃんを
それは、それは、大切にしてます。」
と、言うと
彼女・戸川さんは、大泣きしだした。

青木さんから
「それで、恵は、
元気になったのでしょうか?」
と、訊ねられて
「どうでしょうか?
しばらくは、怖さから眠れずに
いたようですが···
今も、まだ、
怖さが残っているように思います。」
と、答えると
「そうですか·····」
と、言う青木さん。
「私は、この事を荒垣さんには、
話していません。
定かでないことを伝えて
彼女に心配をかけたくなかったから。」
と、言うと青木さんが
「戸川さん、どうされますか?
全ては、あなたの勝手な思い込みから
起こった事です。
私と恵の離婚は、全て私が原因です。
あまり言いたくない話ですが
母からもその件で飽きれられて
連絡さえ拒否されています。
これで、私に非があることが
わかるでしょ。
もう、恵に近づかないで下さい。」
と、伝えると
「だって···」とか
「私は····」とか······言っていたが·····

「律、そう言う事は
きちんとしていた方が良いぞ。
うちの顧問弁護士でも良いし。
ああっと、あなた戸川さん
あなたの今後は、
社長が決めるとの事ですから
自宅で待機して下さい。」
と、男性は言い
彼は、私に
「申し訳ありません。
私は、水島建設・副社長の
水島 靖と申します。
律、青木とは、腹違いの兄弟です。
今回は、戸川の軽率な行動で
お怪我をさせてしまい
本当に申し訳ありませんでした、
子供さんのお怪我は
大丈夫でしょうか?」
と、丁寧に言われ
「私は、上杉 陽史と申します。
高校で数学を教えております。
私はデコを切っただけです。
咲茉ちゃんは、かすり傷でした。
その日も痛みもなかったと
お母さんから聞いております。
お母さんは、精神的な痛手が
あるようです。」
と、正直に答えた。

副社長さんは、
「この内容を一度、お母さんに
お伝えして、お母さんが
どうしたいか?を確認して頂けませんか?」
と、言われたから
俺が勝手に動いたことだから
「わかりました。」
と、お伝えして
取り敢えずは、副社長さんと
連絡をとることにした。
青木さんは、恵と関わりがあるから。

だが····
恵は、あの動物園に行ってから
LINEをあまり返してくれなくなっていた。

俺が調子にのり過ぎたから
呆れてるのだろうか?
嫌われたのだろうか?
だが、今回の事は
話さなくてはならない。

水島さんと青木さんに
頭を下げられて
水島建設を後にした。
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