許す事ができるの?

···恵と咲茉


上杉さんと動物園に行ってから
数日が過ぎた。

咲茉から
「陽ちゃんは?」
「陽ちゃんと会えないの?」
「陽ちゃんと約束した。」
と、言われていたから
咲茉と話をした。

自分の勝手な思いから父親が
いないことで、咲茉に寂しい
思いをさせていたのではないか、と。

あの日、咲茉が眠っても涙を流して
いたことを見て
陽史さんに関わる事で
咲茉に辛い思いをさせて
しまったのではないか
なら、もう、陽史さんに
深く関わることは止めようと思った事を
話した。

もちろん、咲茉を助けてくれた方だから
その事は、感謝の気持ちを忘れないことも。

咲茉は、
「もう陽ちゃんとは
会えないの?」
と、寂しそうだったが
正直、私もどうして良いのか
わからなくなっていて
陽史さんからのLINEに
返事が出来なくなっていた。

数回のLINEに対して
一度位しか返せなくて
返しても辺り触りのないような
言葉で返す始末·····

咲茉は、段々と
陽史さんの名前を出さなくなっていったが
無理をさせているのでは
ないかと思っていた。

そんな時に
陽史さんからLINEで話があるのと
嫌われることをしたのだろうか
と、言う内容のLINEが届いた。

やはり、陽史さんと一度きちんと
話そうと思った。

陽史さんが咲茉を助けてくれなかったら
咲茉は、
大怪我をしていたかもしれない、
それは、感謝してもしきれないのだ。

陽史さんと約束した日に会った。

その日
陽史さんから告白を受けた。

私自身も、咲茉を救ってくれた方
以外の気持ちが陽史さんに
持っていたから
陽史さんとお互いを
良く知って行こう······と···
咲茉を交えてとなった。

だが、その後の話を聞いて
私は、驚きと共に怒りがわいた。

陽史さんに離婚の経緯も聞いて貰った。
弁護士の矢野先生に依頼した内容も。

「咲茉のことは、青木は知らないし
話す必要もないと思っています。
でも、咲茉に何もないように
きっちり話をつけたい。」
と、陽史さんに伝えた。

陽史さんは、その場で
水島建設の副社長さんに電話した。

午後いちで
副社長は、社長と顧問弁護士と
一緒に待っていてくれると。


陽史さんは、青木さんと戸川さんは、
一緒の席から外して欲しいと
伝えてくれた。

私達は、簡単にランチを済ませて
水島建設の社屋に向かった。

私は、胸が苦しく
ほとんど食べれなかったが·····
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