許す事ができるの?

···対面


恵は、学校が終わり
水島建設へと向かった。

受付のロビーに矢野先生が
待っていてくれたので
先生に挨拶をしていると
田辺先生が見えて
一緒にエレベーターに乗り
今日は、小会議室へと入る。

中にはいると
「荒垣さん、大丈夫ですか?」
と、矢野先生に訊かれて
「ありがとうございます。
先生、また、ご迷惑をおかけして
すみません。」
と、伝えると
「そんなことないです。
また、お会いできて
私は、嬉しいです。」
と、笑ってくれた。

先生には、咲茉の話しは
済ませていた。

田辺先生も、ご存じかも知れないが
守秘義務があるから心配していない。

「ただ、田辺から連絡があった時は
少しびっくりしました。」
と、言うと二人は顔を
見合わせて笑っていた。

仲が良いのが伺える。

「ですが、私のクライアントは
荒垣さんです。
田辺側が、荒垣さんに何かするなら
徹底的に戦いますよ。」
と、言う矢野先生に
私がびっくりしていると
「荒垣さん、矢野は、そういう人間です。」
と、田辺先生
「当たり前です。」
と、矢野先生に
私はお二人を見て笑ってしまい、
緊張が和らいだ。

そこへ·····

« コンコン »
と、入って来たのは
水島建設・副社長の靖さん·····と····
     ······りつ·····

「荒垣さん、今回はご無理を
言いまして申し訳ありません。」
と、副社長の靖さん。

靖さんは、そのまま
矢野先生に挨拶をし
矢野先生も挨拶を返していた。

全員が椅子に座ると····同時に···
「すまない。」
と、律は立ち上がり頭を下げた。
「律、お前の悪い癖だ。
何に対しての謝罪なのか明確にしろ。」
と、靖さん。

すると····

律は、姿勢をただして
「あんなに約束したのに
嘘をつき続け、恵を傷つけ
その上、戸川さんの事も
きちんとして来なかった
その為に、
恵の子供に怪我をさせてしまい、
申し訳ありませんでした。
助けて頂いた上杉さんには
感謝しかありません。
恵の精神的苦痛の話しは
上杉さんから聞きました。
本当に···すまない。」
と、頭を下げる律に
靖さんは、座るように伝えると
律は、頭を皆に下げて腰かけた。

「り、青木さん。
あなたが、起こした事では
ありませんが····
私が、あの時に言った言葉を
あなたは理解していなかったのだと
改めて思いました。
もう、昔の事ですが····

社長の健さん、副社長の靖さんには、
お伝えしましたが
二度と戸川さんには娘にも
私にも近づかないように
していただきたいだけです。
私や咲茉には、あなた達の事は
全く関係ない事です。
二度と巻き込まれたくありません。
あの時、上杉さんが娘を
助けてくれなかったら
咲茉は、娘は、大怪我していたか
···············

恵は、ふるえがではじめ····
自分を落ち着ける為に
深呼吸を繰り返し
自分の両手で体を抱き締める。

矢野先生は、恵の背中を撫でながら
上杉さんにショートメールをした。

上杉さんから、もしもの時の為に
聞いていたので····
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