偽装懐妊 ─なにがあっても、愛してる─
接触








冬哉さんに与えられた寝室で、一夜明けた。

昨夜、シャワーの後で備え付けのナイトウェアに着替えるよう指示をされ、そのときに下着からなにから私の着ていた物を奪った彼は、オーバーナイトのランドリーサービスへ出したらしい。

下着を着けていない心もとない状態で体を起こすと、テーブルの上にランドリーサービスに出した衣類一式が包装紙に包まれ、【ベイロットホテル】という金のシールで封がされた状態で返却されていた。

午前八時。
それに着替え、腕時計を着けてから、リビングへ出る。

デスクではすでに、黒のハイネックにグレーのスラックスを着た冬哉さんがモニターと向き合い、仕事をしていた。
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