終わらない夢
チャプター10
Chapter10 未来への理想
Yuki→Yuna

夢を見た。雪の、これまでの歩み。これまでの人生。たった十数年のなかであった、想像できないほどの想い。家庭に振り回され、裏切られ、それでも信じたいものがあった。そんな雪の気持ち。それはすべて、私に向けられたもの。
「優奈ちゃん!」
「目、覚めたか!?」
「うん……」
「よかった…もうダメかと思いました」
みんなに心配かけたみたい。本当に、嫌になるよ。それに、あの長い夢は…。
「なにか、分かりましたか?」
「え?」
「優奈さんが寝ている間、感情が顕著に現れていました。冒険でもしたかのように」
「とても、ツラそうで…私、ほんとに大丈夫かどうか、心配で…」
こんなにも心配をさせたんだ。私が分かることは、すべて話さなければ。
「私が見てきたこと、ぜんぶ話すよ」
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