抱き合ってうつら、うつらとするあたし達を現実に引き戻したのは、ヒロキのスマホが鳴る音だった。

放っておくと何度か途切れては鳴るそれを、ヒロキが床から気怠げに拾いあげる。

チラリと見えたヒロキのスマホの画面には、同じ名前の女からいくつもメッセージが届いていた。


「彼女、長いの?」

あたしに隠す様子もなく、仰向けでスマホを眺めているヒロキを横目に見る。


「んー、二ヶ月くらい?」

スマホで文字を打ちながら答えるヒロキの横顔を見つめていると、あたしの視線に気付いた彼が手を止めた。


「誰と付き合ってもリナほどは続かない。この子も、メッセージ返してないと、連投でいくつもきてて。なんか、面倒」

「ひどいこと言うね」

「だって本当だし」

ヒロキのメッセージに、彼女からの返事が秒で返ってくる。

冷めた目でそれを確かめたヒロキは、あたしに覆い重なりながら、スマホを床に落とした。

ヒロキがあたしの唇を塞いで、胸を弄る。ベッドの下で何度も震えるスマホの音は、いつしかふたりの熱い吐息と混ざって掻き消えた。