無表情で指摘する右京さんに怯まず言い返した。
「そんなことないれすよ。いまだかつてないくらい頭ははっきりしてましゅ。右京さん、教えてくだしゃい。お願いしましゅ。でないと、屋敷を売らなきゃいけない……ううっ」
 急に悲しくなってきて、右京さんの浴衣の袖を掴みながら泣きじゃくる。
「え? ちょっと……」
右京さんが困惑した様子で鷹政さんを見ると、鷹政さんは「俺が見るから」と右京さんに告げた。
「ほら、こっち」
 鷹政さんは私の肩を抱いて、ビアホールのような丸テーブルの椅子に腰かける。
「ビール飲みすぎたんじゃないのか?」
 彼の質問に鼻を啜りながら答えた。
「そ、そんなことありましぇん。……グズッ」
 自分でもなぜ泣いているのかよくわからない。
 鷹政さんがそっと胸を貸してくれて、彼の温もりになんだかホッとした。
 温かくなるとなんだか眠くなってきて……。
「……凛? 凛?」
 鷹政さんの声がして、「……はい」と返事をするももう目が開かない。
 やがて静かな闇が私を包み込み、意識を手放した。