誘惑じょうずな先輩。
もてあそぶ先輩
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「……胡子ちゃんはもし好きな人がプレイボーイだったら、どうする?」
とある日の体育の授業。
はじめのストレッチをしながら、お友達の宮川胡子ちゃんに、遠慮気味にそう尋ねた。
「ん?ゆんがそんなこと言うの、珍しいね」
胡子ちゃんは不思議そうに首を傾げながら、口を開く。
「プレイボーイねえ……。
それって……、うちの学校で言う万里先輩みたいな人のこと?」
「う、うん、そんな感じなんだけど……」
いや、本人なんだけど。
そんなこと言えるはずもなく、ぐっと唇を噛み締める。
「はっきり言うと、諦めるかな」
なんでも即決タイプの胡子ちゃん。
恋愛でも白黒させる性格は変わらないらしい。
……諦める、か。