甘えたがりな君



「どこ行くの?」


 そのとき。
 訊いた、彼が。
 眠そうな声で。


「ごめん、起こしちゃった?」


「ううん、起きてた」


 子供のようなピュアな表情の彼。


 可愛い、そんな彼が。


「私は、そろそろ起きるけど、
 もう少し寝てるなら寝てていいよ」


 見ていたい、もう少し。
 可愛い彼のことを。



 だけど。
 そろそろ起きて朝ごはんの準備とかもしたい。


 だから彼にそう言い。
 ベッドから起き上がろうとした、ら。


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