白いジャージ ~先生と私~
第14章

最後の笑顔

旅行から帰った翌日のことだった。

まだ大掃除の終わっていない私は、自分の部屋で手紙の整理をしてた。


ゆかりからの手紙

おばあちゃんからの手紙


読み返してる間に夕方になってた。



田舎に帰ってたゆかりに電話をかけた。

先生とよりが戻ったこと・・詳しくちゃんと話せてなかったから。


よりが戻ったことだけは、その日に電話したんだけど、

ゆかりは龍と一緒にいたから・・


でも、誰よりも喜んでくれたゆかり。


「先生見てたら未練たらたらだったもん・・!!」

ゆかりは、笑いながら私を祝福してくれた。


今日の電話でゆかりは、

「なおがより戻ったら、龍に告白するって決めてた!」

と言ったんだ。


いつになるかはわからないけど、近いうちにゆかりと龍の関係もはっきりする。



ゆかりとの電話を切った後で、家の電話が鳴った。


なんだか嫌な胸騒ぎがした。


お母さんが言った。




「おばあちゃん、やっと楽になれたよ。」


私は手に持っていたおばあちゃんの手紙を握りしめたまま、

声を上げて

泣いた。




お母さんの胸で泣いた。


1番泣きたいのはお母さんだったよね。

自分のお母さんだもんね。


いつか私にも来るその悲しい日。


いつかお母さんも死んじゃうんだ。



いつも守ってくれて、

誰よりも最初に

私を愛してくれた人。


泣いているうちに、

頭の中では

いろんな感情がうごめいていたんだ。


ついこないだまで
私の手を握ってくれてくれて、
笑ってくれたおばあちゃんが

もういないんだ。


おばあちゃんは、
大好きなおじいちゃんにもう会えたかな。

おばあちゃんの人生は
幸せだったかな。


神様、どうかおばあちゃんをおじいちゃんに会わせてあげてください。




泣き疲れて、

そのまま、


お母さんの胸の中で眠ってしまった。
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