イモーションロックシンドローム〜永遠の絆〜

人には様々な感情が存在する。喜び、悲しみ、怒り、恐怖ーーー。感情があるからこそ、人は人に寄り添うことができ、自分を成長させることができる。人にとって、感情というのは必要不可欠なのだ。

しかし、あることがきっかけで人が生きていく上で必要な感情全てを失ってしまう病気がある。その名はイモーションロックシンドローム、日本語では「感情消失症」。

この病気を発症するのに、年齢も性別も人種も関係ない。誰もがちょっとしたきっかけでなる可能性がある病気なのだ。

中学二年生の黄瀬光（きせひかる）もこの病気を抱えている。とは言っても、本人に感情はないため、病気による苦しみなどはないのだが。

専門家の中には、この病気はある意味幸せだと言う人もいる。何故なら、悲しみを感じないため、人から何を言われようが、何をされようが、何も感じないからである。



朝の六時。学校が始まるのは八時半からなので、特別な事情がない限り、多くの学生はまだ夢の中だろう。

「いつまで寝てんだよ！！さっさと起きろ！！」