私があなたを殺してあげる
元カノ

 次の日、今日は仕事が休み。私は朝からベッドの上でボーっと天井を見上げていた。

 昨日、智明に問い詰めるようなことをしたが、母親のことを出されて、それ以上は何も聞けなかった。
本当はいろいろと聞きかたっかけど、嫌だよね? いろいろ聞かれるのって。


 智明は私のこと、話すまでは聞いてこない。そして話すと親身に聞いてくれる。それは私が話すタイミングを待ってくれているということなんだと思う。だから私も待とう。嫌なことを問い詰めたら、智明を追い込んでしまいうかもしれない。今はその時を待とう。


 午後八時、智明がドラッグストアで働き出す時間だ。
 昨日はあんな雰囲気になったけど、今日は普通に、笑顔で接して行こう。

 私は早く智明の顔が見たくて、ドラッグストアへと向かった。

 すると店先に智明の姿がある。そして向き合うように話している女性がいた。


 誰? あの人。


 雰囲気からして、とてもお客さんおようには見えない。智明はその女性を連れて店の奥へと入って行った。

 私は後を追うように店の中に入るが、二人の姿はなかった。


「こんにちは、河名さん」

「ああ、杏子ちゃん。いらっしゃい。今日は早いね?」

「はい、今日は休みなんです。それより河名さん、智明はどこに行ったの?」

「えっ? ああ・・・ 奥の休憩室にいるよ」

「休憩室? でも智明、今、働き出したばかりでしょう?」

「ああ~ うん・・・ 実は今、お客さんが来ててね」

「お客さん?」

「うん・・・」

 河名さんは、それ以上は答えてくれなかった。ただ、そのお客さんは智明の理解者で、ずっと支えてきた人だとだけ教えてくれた。


私はとりあえず店を出て、ベンチに座り時間を潰すことにした。
智明の理解者で、陰で支えてきた人か・・・ 気になる。



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