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私の初恋の相手は亡くなった姉・彩芽(アヤメ)の許婚・高木隼也(タカギシュンヤ)さん。
彼はこの地域では四百床以上のベット数を誇る大病院『清和会総合病院』の高木隼介(タカギシュンスケ)院長の一人息子であり、次期院長。
独身の彼のハートを射止めようと皆、奔走していた。

高木院長は心臓外科医としては有名で、神の手を持つと言われている名ドクター。

時々、テレビの医療番組にも出演していた。

私は一ノ瀬瑞希(イチノセミズキ)二十四歳。
重い心臓病を患った姉の影響で医学の道に進もうと心に決めたけど、医学部に進学するだけの頭はなく、看護学校に入学して、看護師の道に進んだ。
今はこの病院の小児病棟勤務の看護師として従事し、二年目の春を迎えていた。

先輩に誘われた合コンでお目当ての男性には相手にされず撃沈。
ヤケになり、行きつけのバーで飲み過ぎて、その後の記憶はなかった。

そして、気が付けば…見知らぬ部屋のベットの上で眠っていた。