担当患者のバイタルと投薬が終えたかと思えば、食事の介助と午前中の時間は慌ただしく過ぎていく。

食堂の椅子に腰を下ろし、一人でランチを食べた。
―――久世さんには悪いコトしてしまった。
携番のメモがあるし、一言お礼言った方がいいかな。

私はエビフライを食べながらボーッと久世さんのコトを考えていた。

「瑞希」

目の前の空いた椅子に隼也さんが座って来た。

「高木先生・・・」
周囲は密かに私達を見ていた。

「公衆の面前では瑞希ではなく一ノ瀬と呼んで下さい」

「・・・別にいいだろ?俺と結婚すれば、高木なるんだから…」

隼也さんは平然と返し、ワカメの味噌汁を啜った。

「私に何か用ですか?」

「あぁ~昨日、熱性けいれんで駆け込んで来た生後半年の男児が居るんだが、その母親の亭主が仕事人間で、子育てにはノータッチで…精神的に追い詰められているようだ…お前は小児科病棟の看護師だし、励まし方も心得ていると思う。少し話を訊いてやってくれないか?」

「でも…私にも仕事が…」

「それは分かってる。俺が乾看護師長に話を付けるから…頼む。瑞希」

「分かりました…乾看護師長のコトよろしくお願いしますね」

「分かってる…お礼もちゃんとするぞ」

「別に礼なんて…」