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「隼也さんってワインに詳しいんですね」

「まぁな」
隼也さんは上機嫌に返し、バーカウンターに立つ。
「そうやって、バーカウンターに立ったら、本物のバーテンみたいですよ」

「そうか?知り合いのバーで時々バーテンのアルバイトをしていたコトもあった。だから、簡単なカクテルなら、今でも作れるぞ」

「へぇー…」
医大に入学すれば、アルバイトする暇なんてないと思っていたけど。
「カクテル作ってやろうか?何かオーダーしろよ、瑞希」

「え、あ」

彼はシェーカーを手に取った。
カウンターの脇に並んだ色んな種類のアルコールのボトル。
それらを適当にシェーカーの中に目分量で注いでいく。

さながら、理科の実験のよう。
そして、入れ終わるとシェーカーを慣れた所作で振り始める。