あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
あなたの本当の名前
ある日の午後。


桜もちらほら咲き出して、ますます春を感じられるようになってきた。


桜の木は、ただそこに静かに佇み、枝にたくさんの花をつけて…


その優雅で気品溢れる姿に誰もが惹き付けられる。


ある人は心が晴れやかになり…


またある人は感傷に浸り…


行き交う人のいろんな思いを引き出してくれてる気がした。


私も、そんな桜の花達に元気をもらって『杏』に向かった。


昼から仕事に入る時は少し気持ちに余裕がある。


店の自動ドアを入り、さらに奥に入ると休憩中のあんこさんがいた。


「お疲れ様です。あんこさん、よろしくお願いします」


「雫ちゃん、お疲れ様。今日もよろしくね。ねえ、今、あの人来てるわよ」


「あの人?」


「そう、あの人。たまに来てくれる超イケメンの彼よ」


あんこさん、嬉しそう。


「スーツの…?」
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