褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません
ドキドキのハイヒール
翌週の水曜日──。



「うーん……ないなぁ……」



昼食を食べ終えた昼休み。

夏バテで落ちてしまった体重を元に戻すため、現在、増量する方法が書かれた本を図書室で探している。


しかし、本棚にあるのは痩せる方法が書かれた本のみ。

ネットでの情報が少なかったから、本で調べようと思ったのに置いてないなんて……。


筋トレの本はあったけど、あれはボディービルダーのような体型を目指す人が読む本。

内容がハードすぎて、全く初心者向けじゃなかった。


くまなく探しても見つからなかったから、先生に尋ねてみたけれど……そういう種類の本は元から置いてないんだって。


今週からウォーキングの練習が始まるし、それに衣装合わせもするから、早く元の体重に戻さないといけないのに。


肩を落として図書室を後にし、渡り廊下を通って教室へ戻る。

すると、前方に長袖のブラウスを着た、私と同じくらいの背丈の女の人が、壁に寄りかかりながら歩いていた。


あんな背が高い女の先生いたっけ……?


まだ1年生だから知らないだけかな?
んー、でも交流がない先生でも、校門とか朝礼で見てるし。


スルーすることもできるけど……歩き方からして体調が悪そうなんだよね。
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