風になびく君の髪




家に帰る


「ただいまー!」


ひまわりはまた大きな声で言う


「お前ん家か!」


まあいつもの事なんだけどな


「あらーひまちゃんおかえり、
あれ?風馬の声が聞こえないなー」


「はいはい、ただいま」


「おかえり」


母さんともいつものやり取りをする


「あ、今日もひまわりの両親いないらしいから
うちで食べるんだけどいいよね?」


「うん!大歓迎よ!」


「ありがとー!ふーママ!」


入学式だと学校終わるのも早いし雪乃もまだ帰ってきてない


「とりあえず上がってゲームしようぜ」


「あーマリカやりたい!」


と俺とひまわりは家に上がる


「ちょっとあんたたち、手洗ってからゲームしなさいね?」


「「はーい」」


ひまわりがさっき言った家族みたいなもんってのも何となくわかる


こんな風に俺の母さんもひまわりにも手洗いなさいとかこぼしたら拭きなさいとか色々言うからな





しばらくはゲームをして時間を過ごす


しばらくすると雪乃も帰ってきて一緒にゲームをする


晩御飯を作る母さんがキッチンから顔を覗かせこう言う



「そういえば風馬友達とか出来たー?」



「小学生じゃないんだからいいだろ別に!」


「良くないよーひまちゃんは人付き合いとか好きそうだからあんまり心配してないけどね
風馬の場合はどうなのかなー?って」


そりゃまあできてないこともないしな


「今日はみんなでマック行ったもんなひまわり」


俺はひまわりに話を預けた


「うん!」


ひまわりもそれに返事をする


「へぇー!すごいじゃん!
でもひまちゃんが作った友達と一緒にとかじゃないよね?」


【ギクッ!!】


図星だ……


「いや、ふーママ、今日はふーまから話しかけてたんだよ!
すごい真剣そうな顔してね」


「………」


俺はあの場面を思い出す


水瀬さんに声をかけた時のことを言ってるのか?


だとしたらなんでそれを知ってんだ?


多分他の人には見られてなかった気がする


見られてないなんて保証はないけど


「そうなのー!?珍しいー!
なら本当によかった!お母さんは嬉しいよ」


そう言ってまた母さんは料理をする



「風馬?なんで走ってないの?
手動かしなよ」


ボタンを押してなかったことを雪乃に知らされる


動揺しすぎた


なんでひまわりは知ってたんだろ?


その答えは聞けないままでいるけど


どういうつもりかはわからない








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