カタブツ竜王の過保護な求婚


 そんな兄王の裏事情は知らないままに、レイナはこの縁談が進められたことでほっとしていた。
 姉王女であるルルベラをこれ以上怒らせることもなく、さらにはユストリス国との同盟の証として、両国の――人間と獣人との懸け橋として、やっと役に立てるのだ。

 ルルベラは獣人を嫌悪していたが、レイナはその姿を何度か目にしたこともあり、嫌悪どころか憧れに近いものを抱いていた。
 あのように大空を飛べるなどどれだけ気持ちがいいのだろう、と。
 逆に、ふわふわのしっぽが生えていたり、突然羽を出して空を飛ぶなんて不思議だなと、触ってみたいなと思っていたほどである。

 一度王宮から飛び立つ大きな鷲を目にしたが、それが交渉団の一人である獣人だと知って羨ましくも思ったものだ。
 ただユストリス側が妾腹の娘に腹を立てないかということだけが心配だった。

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