「んー……。よく分からないね」

 どっちにしろ、彼が本当に奏人なのか、五月女社長なのかどうか、確かめるしかないと思った。

「とりあえず、飲もう」

「うん。そうだね」

 わたしたちは一旦彼のことを忘れて、他愛もない話で盛り上がった。ビール片手に、おつまみなどを食べながら笑いあった。

「じゃあ、お疲れ! また明日!」

「うん。お疲れ様」

 わたしたちは夜7時半頃、居酒屋を出てそれぞれの家路へと帰宅した。



◇ ◇ ◇




 次の日、わたしは仕事が休みのためフラッと近くの百貨店へ買い物に出かけた。

 特に買うものは決めていなかったけど、フラッと見ながら買いたいものがあればと思い、百貨店に行ったのだけれど。

「……ん?」

 え? あれって……。五月女、社長?
 
 そこには一人、五月女社長らしき人が店内でスーツを選んでいた。

「……え?」

 そして五月女社長の隣には、彼女かは分からないけど、髪の長いスラッとした女性がいた。