諦 念
3〗

▪▪経緯


冒頭の話は·····

   約6年前の出来事·····



私は、大学の卒業と同時に
大林建設に入社した。

緊張する中で
私は社会人一年生として
ワクワク、ドキドキしていた。

そこで知り会ったのが
山本 明奈だった。

明奈とは研修中ずっと
一緒に過ごした。

研修最後に新入生で
打ち上げが行われ
その時に私と光輝は出会った。

飲んで騒いで楽しかった。

明日からの配属に
みな、不安もあり
かなり飲んでいた。

私は、本社╱デザイン・インテリア課
明奈は、本社╱総務課
光輝は、本社╱営業部一課

新入社員は、300人
みな、本社や各支店に分かれる。
それぞれが、LINE先などを交換して
帰宅した。


配属から一週間目の休日に
光輝に呼び出されて
食事をしながら
告白を受け
私も光輝に惹かれているのが
わかっていたからOKをした。

明奈には、すぐに報告をして
喜んでもらえた。

私の実家は鎌倉の為
マンションで暮らしている。
光輝は、福岡県の為
マンションで
一人暮らしをしている。

私達は、お互いを励ましながら
仕事に取り組んでいた。

光輝は、接待もあり
中々、会うことも難しい。
私も先輩についてあちこちの
現場をみて回る日々。

だが、どんなに忙しくても
恋人が楽しむ行事は
二人で過ごした。

お互いの誕生日
バレンタインデー
ホワイトデー
七夕
クリスマス
そして付き合い始めた
4月7日。

付き合い始めた年のクリスマスイブに
私達は、朝まで共に過ごした。
プレゼントは、なぜか
二人とも時計を買っていて
顔を見合わせて笑いあった。

二年、三年と経つと
仕事も任せられるようになり
ますます、忙しくなるが
お互い信頼している
大事に大切にしている事で
揺らぎはなかった。

まぁ、社内で光輝が告白を
受けているのも知っているし
その現場を見たこともある
だが、光輝は彼女いるから。
と、毎回言っていたし
それも、冷たい?愛想もない?
ように。
私といる光輝では
あり得ないくらいで······

四年、五年経つと
明奈からも
「まだ、なの?」
と、度々。

私もそう思うが
光輝から結婚の話はない。

その事が、私に不安と疑心を
植えていった。
私も仕事は楽しいと
思っているが·····

それでも恋人達の行事は
二人で過ごす事で
私は維持していた。
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