六年を過ぎると·····

その行事に光輝が合わなくなった。

訊ねると
「ごめん、仕事で。」
と、毎回言われる。

仕事と言われると
私は黙るしかない。

明奈からは、
「きちんと話した方が良い」
と、毎回心配された。

その時·····

私達の同期で受付勤務の
田中 真澄ちゃんと光輝の
噂が耳に入った。

真澄ちゃんが、光輝を好きなのは
明奈からも聞いていたし
光輝からも告白を受けたが
断ったと聞いていた。
だから、心配していなかったが····

一緒に食事をしていた
ホテル街を歩いていた
映画館でみた
ショッピングモールでみた
と、皆が教えてくれた。

私は、光輝に訊ねるが
「人違いだろ?」
と、言うから
「そんなに何人も間違う?」
と、言うと
「栞那だって。」
と、言われて
「私が、なんなの?
はっきり言って。
私に飽きたなら
私と別れたいなら
そう、言って欲しい。
回りから色々聞かされるのは
嫌だから。」
と、言えば
「別れたいなんて思っていない。」
と、抱き締めてキスをされる。

ダメだと、はっきりさせないと
想いながら流されてしまう。
光輝を好きだから·····

七年になり····

その間に一度だけ
父から、
「結婚考えてないのか」
と、問われたが
「仕事が楽しくて」
と、言ってごまかした。
父は、きっと何かを感じているだろう。

私は、母も父も好きだが
父っ子だ。
患者さんを大切にする父は
家にいないことが多く
家族でどこかに行く
何て事もなかった。

だが、家にいるときは、
おもいっきり、甘えさせてくれて
おもいっきり、遊んでくれる
そんな父が大好きで
一度だけ、一緒にいて
と、泣いたことがある
それは、母を亡くした時
父は、ごめんと何度も何度も
謝ってくれて
父を待つ妊婦さんの元へと行った。
目が覚めた時
父は、私のベッドに頭を乗せて
私の手を握り寝ていた。

そんなお父さんの頬には
涙の後があった。

お父さんも辛かったのだ
でも、患者さんを助ける為に
赤ちゃんを守るために

やっぱり、私の大好きなお父さんだ。

目を覚ましたお父さんは、
「ごめんな。」
と、言うから
お父さんに飛びついた。