禁忌は解禁される
一颯の見合い
「おはようございます、若」
「は?若?」
「今日から、お前は若頭だ。
もう颯天坊っちゃんじゃねぇからな」
「ふーん」
「それより…服、着ろ!!」
「風呂上がりで暑いんだよ!」
「一颯が嫌がるぞ!」
「それは、大丈夫だろ?」
「は?
どうゆう意味だ?」

「いや、別に」
一颯は颯天に、みんなの前では姉弟でいる約束をさせていた。

絶対に誰にも、何も言わないで!と。


「姫を傷つけない」


「は?」
「これは、ルールです」
「………わかってるよ…!」

「では、こちらを……」
銀二の言葉とTシャツを渡され、素直にそれを着た颯天。

ちょうどそこに、一颯が入ってきた。
「みんな、おはよう!」
「あ、姫。おはようございます」

「━━━━え?何?」
いつもと違う雰囲気で、注目を浴びる一颯。
ビックリして言った。

「おはよ、一颯」
「おはよ、姉ちゃん」
「……////,」
さっきまで、一緒に風呂に入っていた二人。
思わず、顔が赤くなる一颯。

「どうした?一颯。
熱でもあるんじゃねぇか?」
「ううん。大丈夫だよ?」

「フフ…」
颯天だけが、笑って見ていた。

そして食卓につく。
「颯天、今日からお前にも部下をつけるから」
「ん、わかった」
「町野と百田だ」
「よろしく」
「若、よろしくお願いします。
食事が済みましたら、事務所へ行っていただきます。
後はその時にお話を………」
「わかった」
ここでは…特に一颯の前では、仕事の話は一切しない。
それもルールだ。

一颯はこの流れをただ、静かに見つめて料理を口に運んでいた。
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