羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】
2章:平穏でない日々と告白

 それから、とうとう入社の日は来て、私は総務部配属、中でも契約書作成を主な業務とし、その作成には顧問弁護士の確認が必要となる案件が多いチームへの加入となった。
 何かおかしな力が働いているとしか思えなかったけど、それは黙っておいた。自意識過剰と言われかねないからだ。とにかくホウオウでも騒がず目立たず、平和に過ごせるように日々模索していた。

 羽柴先輩とはメールで法律案件のやり取りだけで、とくに大きな問題もなかった。Ccに部長も、先輩もつけてメールのやりとりをするので、私的な内容は一切入ってこない。これも良かった。羽柴先輩はと言うと、メールの返信速度はまちまちで、忙しいのだろうと予想できた。ただ、いちいちメールが届くたびにドキドキとはした。

 朝一で羽柴先輩のことを調べ、ネットにのっている羽柴先輩情報(なぜかテレビのコメンテーターもやっているらしいので調べやすい)をチェックして、今日は大丈夫、今日は来ない、と自分に保険をかけて出社する日々。
 また、羽柴先輩の予定は、自分自身でも調べてはいたが、羽柴先輩のファンの女性社員が何人かいて、その人たちがいつも昼休みに話しているのを、こっそり聞き耳を立てることでさらに得やすかった。
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