羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】
15章:ずっと一緒に


「『総務の柊みゆはとんでもないお嬢様だったのか』とか噂になってるわよ」
 昼休み、食堂でそう言った宮坂さんを見て、私はため息をついた。

「……私もびっくりです」

 ちらりと食堂の入り口に目をやる。
 泣きながら頼んで、できるだけ会社員に近い恰好にしてもらったのだけど、明らかに普通の人間とは違う戦闘能力の高そうなオーラをまとった男たちがそこには立っていた。
 しかも1人ではない。3人だ。食堂に入る社員がいちいちSPの男たちをちらちらと見ていく。そしてそのあと、必ず私に目線を移すのだ。

 これも泣きながら頼み倒して、私や周りの見える範囲には3人と言うことにしてもらったのだが、なにせ目立つ。ちなみに残りの7人は見えない範囲にいるらしい。それはそれで怖い。


(『SPを減らしてくれ!』なんて彼氏に泣いて頼んだ人間って、私以外に誰かいるのかな……)

 いるとしたらその人とはいいお友達になれそうだけど、たぶん、そんな人は他にはいない……。

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