竜王陛下のもふもふお世話係2~陛下の寵愛はとどまるところを知りません~

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 一方その頃、ジェラールはラルフからの説明を聞きながら考え込んでいた。

「なるほど。薬の効果で元の姿に戻れなくなっているのだから、薬の効果が切れればおのずと元に戻るということか」
「はい。同じような薬が少し前にもアリスタ国にも出回っており、すぐに禁止薬剤に指定されたとのことです。ただ、成分を少し変えて似たような薬がすぐに出回るようです」

 これです、とラルフは何種類かの薬包を机の上に置いた。

「なるほどな」

 ジェラールはふむと頷く。
 ラルフは昨晩、ジェラールの命を受けて竜に姿を変えてアリスタ国の王宮まで赴いた。
 急な、それも前触れもない訪問にアリスタ国側は大層驚いていたが、それでもジェラールからの手紙を持ったラルフを見てこれはただことではないとすぐに悟ったようだ。王太子のリックが対応に現れてくれた。

 そこでラルフからの事情を聞いたリックの見解は、ジェラールの予想と同じくなんらかの獣人向けの薬が使われたのではないかということだった。似たような薬が以前、アリスタ国にも出回ったことがあると。

 獣人の活躍を面白く思わない、一部の偏った思想の持ち主がよからぬ薬を作っているとはリックから手紙を通じて聞いていた。
 しかし、まさかその薬がミレイナに使われるなどとは、思ってもみなかった。
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